1) レース前の車検 レース前には必ず車検があります。ライダー自身を守るためであり、また他のライダーに危害を加えないためでもありますので、しっかりと準備してレースに臨みましょう。といっても草レース程度であれば通常のメンテナンス+αであり、主なチェックポイントは、@各装備がMFJ基準であること
ヘルメット、つなぎ、グローブ、ブーツ、脊髄パッド、胸部プロテクター
Aオイルのドレインボルトをワイヤーロックする (右写真)
ボルトが緩むことによるオイル飛散の防止が目的。
ボルトに穴を開けて、ワイヤーを通し、そのワイヤーを車体に固定します。
ボルトが緩まない方向に引っ張るようにワイヤーを固定しましょう。
Bオイルファイラーキャップをワイヤーロックする(右写真)
目的・方法はAと同じです。写真ではキャップにホースがつながっていますが、オイルキャッチタンクとつながっており、項目Eを参照ください。
Cエンジン2次カバーを装着していること (右写真 カーボン調)
転倒した際のエンジンカバー破損によるオイル漏れ防止が目的。
写真はマジカルレーシング社製で、エンジンカバーのボルトと共締めするタイプです。共締めする際はできればバイク屋さんにお願いしたほうが良いでしょう。締めトルクが決まっているので、適当に締めるとガスケットの破損につながりオイル漏れを起こします。私は自分でやって失敗しました。
Dフレームスライダー (右写真 エンジン前方の黒いでっぱり)
こちらも目的はCと同じ。街乗りで装着している方も多いと思います。カウルの加工が必要となる場合がありますが、ためらわずにガツンと穴を開けてしまいましょう。
また、MFJでは”カウルから20mm以上飛び出してはならない”という規定がありますが、それでは短すぎてエンジンカバーをこすってしまいます(右写真のように・・・)。ST600に出場するのでなければ、長めの物をお勧めします。
私が経験した草レースでは上記がチェック項目でした。レースの時だけでなく、普段サーキットを走る時も守っておきたい事項です。また、レースの車両規定としては他にも色々決められているので、通常の街乗りバイクとは異なる箇所を下記に。Eオイルキャッチタンク
レース車両に義務つけられる主目的は、
・エンジンブロー時にオイルを外にばら撒かないように
よって、MFJではタンク容量も決められており、ST600なら500cc以上必要となります。
右2つの写真、中央付近にある円筒状のホースがつながっている部品です。
そもそも”オイルキャッチタンク”とはなんなんじゃという方も多いと思いますので、簡単にご説明。
現在のバイクでは、クランクケース内に漏れてしまった混合気を一旦エアクリーナーへ戻して、再度燃焼室へ送り込む仕組みとなっています。その際に多少のエンジンオイルが一緒に送られてしまうことがあります。オイルキャッチタンクはエンジン〜エアクリーナーの間に配置され、混じったオイルとガスを分離して、ガスはエアクリーナーへ、オイルはキャッチタンクに溜めてエンジンに戻すという優れもの らしいです。
・通常システムの混合気の流れ
エンジン ⇒ オイルクリーナー ⇒ エンジン燃焼室 ⇒ 燃焼して大気へ
・オイルキャッチタンクシステムの混合気の流れ
エンジン ⇒ オイルキャッチタンクにてガスとオイルを分離
ガス ⇒ エアクリーナーへ送って再燃焼
オイル ⇒ クランクケースへ戻す
よって、街乗り車両に取り付けても、燃焼効率の上昇やエアクリーナーの汚染防止効果があるかもね。Fエンジンの冷却水
水またはレース用として販売されている冷却水(水とアルコールの混合液)のみ使用可。街乗り車両では、不凍液が入った冷却水が通常ですが、レースでは使用不可能です。コースに漏れた場合に後続車がスリップするのを防ぐ目的のようです。
Gステップ
規定とは関係ないですが、ステップの紹介。
サーキットを走っているとすばやく、ストレスなくシフトアップしたくなります。
その場合、いわゆる逆シフトを好む方が多くなります。
正シフト:上_シフトアップ、下_シフトダウン
逆シフト:上_シフトダウン、下_シフトアップ
写真のようなレース用バックステップキットでは、正シフト、逆シフトが選べるようになっています。まともに購入すると\5万オーバーは普通なので、私はヤフオクなどを活用しています。ちなみに写真は無限製+部品加工で無理やり取り付けて、逆シフトにしています。
右写真のように正逆変換部品の上部にシフトロッドを取り付ければ、逆シフト、下部に取り付ければ正シフトとなります。
その他、タイヤやガソリンなども規定がありますが、自身を守り、一緒に走っているライダーを守ること が優先事項であり、最低限上記項目は遵守するようにしましょう。 |